計量・数理政治学者であれば読む文献は英語が主となるため、効率的に英語を読む戦略を見つける事は重要である。また交換留学や大学院留学においてもリーディングをする時間はかなりのウェイトを占めるから、リーディングにうまく対処する事が留学の充実を決…
私はこれまで学部交換留学、修士課程留学、博士課程留学と3度に渡って留学をしており、なおかつ交換留学ではひたすらリーディングとレポート執筆を繰り返す文系的な留学を、修士留学では逆にProblem Setと試験が中心の理系的な留学を経験した。したがって、…
ロチェスター大学政治学部では14科目の履修が必要であり、最初の1年は各学期4科目ずつ履修して授業に集中、2年目と3年目はそれぞれの年度終わりに提出する2nd-Year Paper・3rd-Year Paperに向けて授業と並行して研究も行い、4年目以降はPhD Candidate…
国内政治の数理を学ぶ者にとってScott GehlbachのFormal Models of Domestic Politicsはバイブル的存在だろう。この本は国内政治のモデルをほぼ網羅する内容となっており、第2版では1~7章で民主主義、8章で権威主義、9章で体制転換のモデルを紹介している*1…
これまで硬い内容の投稿ばかりが続いたので、今回は初めてロチェスターの生活について書きたいと思う。 新しい国での生活において、散髪をどうするかというのは不安材料ランキングのベスト3には入るだろう。国によってスタイルも違うし、周囲の人達を見ても…
Wallis Insitute of Political Economyというのはロチェスター大学の政治学部・経済学部が共同で運営する政治経済学(≒数理政治学)の研究機関で、主な仕事の一つとして年に一度Annual Conferenceを開いている。PhDの学生も参加できるという事で何やらよく分か…
これまでの投稿は、アメリカ政治学博士課程受験における情報の少なさに対する危機感から、政治学専攻の学生が少しでも留学しやすくなればとの思いで執筆してきた。したがってこれらの投稿はやがて多くの方の目に触れる事を期待して、役立ちそうな情報に絞っ…
数理政治学の勉強は学部レベルは自習も可能だが、大学院レベルは授業を通じた学習が効率的である。授業の意義は大きく3つあり、1)教科書を読むペースメーカーになる (予習)、2)難しい箇所を分かりやすく解説してくれ、分からない場合も質問できる (講義)、3…
どのような修士課程に行くべきか 博士課程についての総論で述べたように、博士課程を見据えて修士課程に行く場合は計量・数理の手法を中心に学習する事がお勧めである。博士課程で計量政治学を専攻したい場合、政治学修士よりも計量社会科学修士(例:Chicago…
志望校選び SOPについての投稿でも触れたが、志望校を選ぶ時は最低2人以上関心が近くて教わりたいと感じる先生がいる大学を選ぶのが良い。1人だけだとその先生と意見が合わない時にセカンドオピニオンを求める相手がいないし、その先生が移籍・引退でいなく…
CV 学歴、職歴、TA/RA歴、受賞歴、奨学金の受給歴、(もしあれば)研究業績や学会報告歴など、研究能力のアピールになりうる事を載せる書類である。アメリカの研究者は皆ホームページで公開しているので、色々な先生のものを見比べて、気に入ったスタイル…
恐らく全書類の中で一番困るのがSOP(志望動機書)だろう。だがシカゴ大学いわく実は書くべき内容は大体決まっていて、①研究関心、②過去のトレーニング、③その大学との相性、の3つである*1。語数指定を行っている大学もあるが、自由な場合は1000word程度で書…
GPA・GRE スコア類については、各大学のポリシーによって違いはあれど「足切り的に使われる」(つまり各大学が設定している最低ラインをクリアしさえすれば、後は他の書類の方が重要である)というのが、よく言われる事である。ではどれくらいが足切りライン…
まず前提として言わなければならないのは、アメリカは計量政治学・数理政治学の中心地であり、それらを専攻している学生にとって理想的な留学先である一方、質的研究は盛んではなく、質的研究を専攻する学生の留学先としてはイギリス等がより適しているとい…
自己紹介 吉村 駿佑 (よしむら しゅんすけ) 1997年 東京生まれ 2016年 麻布高校卒業 2018~19年 ジョージワシントン大学に交換留学 (外交問題評議会にて4か月インターン) 2020年 京都大学法学部卒業 (summa cum laude) 2021年 シカゴ大学社会科学修士課程政…