Rochesterで数理政治学を学ぶ

アメリカ政治学博士課程留学サンプル

2024-01-01から1年間の記事一覧

なるべく多くの話を聴くことと、途中で聴くのをやめること

先月から経済理論セミナーに参加し始めた。自分が研究上読む論文の多くは専門である政治学の理論だが、隣接分野として実体的関心を共有している実証政治学、方法論を共有している経済理論は、視野を広げるために研究外で触れる機会を増やそうと考えた。実証…

サブスタンスの授業をどう教えるか

自分ももうすぐTAが始まり、教える側に回る時期に差し掛かっている。基本はFormal Theoryの授業を希望しようと思っているが、1科目はサブスタンスの授業のTAもしておきたいと思っている。そこで、サブスタンスの授業が持つ特有の難しさについて少しばかり考…

論文英会話ー先生・学生逆転講義ー

オンライン英会話を始めたのは大学1年生の時なので、もうすぐ8年が経過する。最初の頃はサービスが提供する様々な教材を試していたが、更新のない教材はすぐに底をついたので、結局毎日記事が更新されるデイリーニュースという教材に落ち着いた。それ以外…

同期とのゲリラ井戸端会議

アメリカに来てから2年が経つが、これまで英語で日常会話をする機会というのは思いの外なかった。PhD1年生は同じ研究室に固められ同期の絆を育むよう促される(厳密な因果推論は行われていないが、同期内の仲がいいほどそのコーホート全体のパフォーマンス…

2024年夏学期振り返り

今年の夏休み、もとい夏学期を振り返ると、5月は帰国してリフレッシュし、6月はロチェスターに戻り生産的に過ごせたものの、7月以降は生産性が低下してしまった。昨年と同じ過ちを繰り返してしまったのは残念だが、生産性低下について考えられる原因をせ…

Reading Groupという公共財

夏休みにいかに生産性を維持するかというのは、大学院生・研究者共通の課題だろう。とりわけ3~4か月という長大なアメリカの大学の夏休みは、自らを鞭打ち続けねばならない精神的修養の期間である。このような苦境を前に我々ロチェスター大学政治学部に編…

ミーティング記録⑤ Professor Brandice Canes-Wrone

今期最後のゲストスピーカーBrandice Canes-Wrone教授は主に大統領研究で知られているアメリカ政治学者で、最近PrincetonからStanfordに移籍された。最近はもっぱら実証研究をされているが、Stanford GSB出身という事もありかつては理論研究もしていて、その…

2024年春学期振り返り

今期は数理政治学を履修、経済数学とミクロ経済学を聴講しつつ、もっぱら2nd-year Paperに取り組んでいた。指導教官の一人から「ほとんどの2nd-year Paperを超える論文だと思う」と言って頂けたので、それなりに有意義な学期にできたのではないかと思う。「M…

Jean Tirole講演

Jean Tiroleがロチェスターにやってきた。Tirole教授は規制政策に関する業績で2014年にノーベル経済学賞を受賞しており、今回も「デジタル時代のプライバシー」と題した企業や政府によるデータ利用への規制についての講演だった。規制を行うのは政府なので、…

初MPSA

今回は初めてMPSAに参加した感想を書きたいと思う。MPSA中の時間の過ごし方は大きく3つ(数理政治学セクションへの参加、ネットワーキング、シカゴ観光)である。 数理政治学セクション 開催地であるPalmer House a Holton Hotelの第一印象は、「スクリーン…

指導教官選び(改訂版)

昨年も指導教官の選び方について投稿したが、その後の経験を踏まえてより考えがまとまったと思うので、改訂版を投稿したいと思う。 以下は、正副に関わらず指導教官をお願いする先生を選ぶ上で私が重要だと考える要素である。 ①研究業績 ②研究関心の近さ ③指…

リベラルな聴講か履修か

今期は数理政治学・ミクロ経済学・経済数学の授業を受けている。数理政治学は履修、ミクロ経済学・経済数学は聴講にしたのだが、「履修にするか聴講にするか」という問題は結構悩ましい問題だと思う。もちろん必要最低単位は取らなければならないので、それ…

ミーティング記録④ Professor Avidit Acharya

今週のPolitical Economy Seminarの講演者であるAvidit Acharya教授はStanfordの数理政治学者で、かつてロチェスターでも教鞭をとられていた方である。講演内容は「選挙キャンペーンの予算を2人の候補者が戦略的に消費した時、最適な消費スケジュールはどの…