Rochesterで数理政治学を学ぶ

アメリカ政治学博士課程留学サンプル

テニスと卓球との間には

先ほどの投稿は真面目で暗い内容だったが、この投稿は一転して不真面目で明るい内容である。私は今日、政治学部の同期に誘われてPickleballというアメリカ発のスポーツを初めてプレーする事になった。Pickleballは、テニスコートより小さめのフィールドで卓球のように硬い板とボールを使ってプレーする、テニスと卓球の間のようなスポーツである。

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私の住んでいる寮には卓球台があるので、最近ようやくマイラケットを購入して遅咲きの卓球少年デビューを果たしたのだが、その矢先に同じくらい面白いスポーツに出会ってしまった。卓球をより広いフィールドでダイナミックにプレーしたいが、テニスができるほどの腕力は持ち合わせていないという自分のような人にとっては、Pickleballはうってつけのスポーツである。アメリカ人は、よその国ではほとんど使われないオンスとかファーレンハイトといった謎の単位を用いる独創的な民族だが、スポーツにおいてはそのクリエイティビティがポジティブな形で発揮されたようである。

初めは同期と3人で交代交代でプレーしていたのだが、そのうち地元の熟練プレイヤー(おじさん)たちに目をつけられ、一緒に試合をする事になった。初心者(というよりスポーツ自体初耳)の私は言うまでもなく足を引っ張ったが、初心者の割には筋が良かったようで、時々絶妙なショットを披露して「本当に初心者?冗談は大概にしてよ」とおじさんたち(GaryとMark)から度々笑顔で責め立てられた。この1年間ロチェスターで関わってきたのは大学関係者か日本人ばかりで地元の人と交流する事はなかったので、ようやくロチェスターに溶け込めた気になれたのは嬉しかった。私は元々小中高とサッカーをしていた生粋のサッカー少年なので、実は卓球よりよっぽど頻繁にサッカーをしているのだが、そういえば最近サッカーでも、地元の人と一緒にプレーしていて良いプレーをした後にハイタッチを求められる事があって、その時がプレー中一番嬉しい瞬間かもしれない。私はお酒に弱いのでバーに行く事もないし、仮に行ったとしても人見知りなので地元の人とおしゃべりで交流するという事はほとんど不可能なのだが、スポーツというのはこうも知らない人との間の精神的敷居を下げてくれるのかと、この年になってようやくスポーツの素晴らしさを感じ始めている。右腕の筋肉痛と引き換えに大事な事に気が付かせてくれたPickleballを、今後も同期と一緒にプレーしていきたい。また次コートに行った時、フェアプレーと紳士的な声掛けで我々学生を虜にしたGaryとMarkはいるだろうか。どうやらPickleballには、性別や年齢を超えて相手の人間的魅力を気づかせてくれる効果もあるようである。

楽しさのあまり写真を撮るのを忘れてしまったので、帰りに食べたインドカレーの写真でご勘弁願いたい。ちなみにこのカレー屋さんは、注文から1時間後にカレーを提供する事で限界までお腹を空かせた状態でカレーを食させ美味しさを倍増させるという、ハイリスクハイリターンな戦略を取っていた。実際カレーは美味しかったし、待っている間に同期とも夏学期の近況報告で仲を深められたので、最終的に誰も不機嫌にはなっていなかった。