Rochesterで数理政治学を学ぶ

アメリカ政治学博士課程留学サンプル

同期とのゲリラ井戸端会議

アメリカに来てから2年が経つが、これまで英語で日常会話をする機会というのは思いの外なかった。PhD1年生は同じ研究室に固められ同期の絆を育むよう促される(厳密な因果推論は行われていないが、同期内の仲がいいほどそのコーホート全体のパフォーマンスが良いという都市伝説をオリエンテーションで言われた)のだが、研究室の照明・空調設備が粗悪な上に窓もないため1年生収容所の様相を呈しており、ほとんど利用する事はなかった。入学当時は時々集まってボードゲーム大会をする事もあったのだが、同期内で既婚者が増えた(現在6人中3人で、もうすぐ4人に増える)ため、集まる頻度も今では年に1回程度に減ってしまった。2年生からは現在の研究室に移動したが、先輩達は研究室にいない事も多く、1年間に数えるほどしか会話を交わす事はなかった。

そういうわけで英語を話す機会が非常に限定されているので、それを補うためにアメリカでも毎日オンライン英会話をしているのだが、中身の無い会話をしても面白くなく毎日続けられないので、Economistから面白そうな記事を選んで議論する事にしている。そのため、いわゆる英会話は学部生の時に外国人留学生とlanguage exchangeをしていた時以来、ほとんどしていないのではないだろうか。議論の場合、中身は濃くなるぶんよく考えて話さねばならず会話に比べて少しテンポは落ちるので、はたして自分がアメリカ人と同じテンポで会話できるのかという事は積年の謎となっていた。

そんな折、政治学部の隣の建物までわざわざ用を足しに来たアメリカ人の同期と、その建物の自販機でジンジャーエールを買うのがマイブームになっている自分が、奇跡的な遭遇を果たした。彼も数理政治学を専攻していて指導教官まで同じ(おまけにとてもフレンドリー)なので、仲良くなるとしたら間違いなく彼なのだが、この2年間彼とは意外と話す機会がなかった。そのため不意の遭遇にもかかわらずお互い話したかった内容が堰を切ったようにスラスラと口をついて出てきて、気づくと1時間近く井戸端会議を繰り広げていた(内容はだいたい研究・授業・就活関連)。ところどころ詰まる所もあったが、それほど違和感ないテンポで普通に会話する事ができ、「自分意外と英会話できるんだ」と発見する事ができた。大学1年生の時にオンライン英会話を始めて今では利用しているサービスから「レジェンド」の称号も受けている(特典は一切ない)のだが、さすがにレジェンドはおこがましいにしても「優良ユーザー」くらいは名乗ってもこれで問題ないだろう。

あまり頻繁に話しても話す内容がなくなってしまうので、今後も偶然の遭遇時を狙ってゲリラ井戸端会議を開催していきたいと思う。こんな事もブログに書くような大事件になってしまうほど私の生活は平凡なものだが、あまり研究の事しか書いていないと面白くない人間だと思われてしまう(研究者は「面白くない」という言葉に関西人と同じくらい敏感である)ので、年に1回くらいはこうした無意味な投稿も心掛けていきたいと思う。

炭酸飲料もしくは炭酸飲料から選べる充実のラインナップ