Rochesterで数理政治学を学ぶ

アメリカ政治学博士課程留学サンプル

2024年夏学期振り返り

今年の夏休み、もとい夏学期を振り返ると、5月は帰国してリフレッシュし、6月はロチェスターに戻り生産的に過ごせたものの、7月以降は生産性が低下してしまった。昨年と同じ過ちを繰り返してしまったのは残念だが、生産性低下について考えられる原因をせっかく昨年リストとしてまとめたので、これを利用して来年こそは再発を防止したい。

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生産性低下の要因リスト

①現在取り組んでいる対象に、強い興味が湧かない

②現在取り組んでいる対象が、今の自分のレベルに合っていない

③短期的目標の欠如

④最適なスケジュールが組めていない

⑤ワーキングルーティーンの乱れ

⑥肉体的・精神的不調

⑦生産性低下の理由が分からない事による自己嫌悪

この中で今回重要だと思うのは、一般性が高い順に③⑤⑥である。まず③「短期的な目標の欠如」だが、夏休みは中間試験や期末試験がないので短期的目標が無く、漫然と過ごしてしまいがちである(自分の中の目標を作っても、コミットメントがなければ実効性に乏しい)。ただこれは学生期間が終われば夏休みに限った事ではなく、学期中も、学生にとっての試験の代わりとなるような短期的目標を立てなければならない。研究者にとっては、研究報告の機会がそれに当たるだろう。夏学期で言えば、7月頭のJSQPSはちょうど夏学期の折り返しに行われる。期末試験の代わりとしては、夏学期明けのAPSAがそれに相当するだろう(APSAがこの時期に行われるのは、そうした夏の成果報告会という意図もあるのかもしれない)。秋学期の終わりには冬のJSQPS、春学期の終わりにはMPSAと、その気になれば各期末の学会を期末試験代わりの目標とする事もできる。とはいえアメリカにいる研究者が毎回JSQPSに参加するのは大変だし、逆に日本にいる研究者が毎回APSAやMPSAに参加するのも大変なので、自分のいる国で年2回の学会報告を期末試験代わりの目標、学内や学外のワークショップでの報告を中間試験代わりの目標とするのが現実的だろう。このように、学生にとって中間試験・期末試験が短期的目標として果たしている役割の大きさを、学生期間の終わりに再確認すると共に、これからは学会・ワークショップをそれらの代わりとして有効活用していく事の重要性を感じた。(実際、試験は無かったがMPSAを目標に過ごした今年の春学期は生産的だった。)今年の夏は学会に参加しなかったのが反省点なので、来年夏はAPSAで報告するのを時期的・レベル的な目標に研究を進めたいと思う。

次に⑤「ワーキングルーティーンの乱れ」だが、これは夏学期特有の問題である。夏学期は授業・ワークショップというペースメーカーが無いので、毎日早寝早起きして大学に行くという当たり前の習慣が失われてしまいがちである。今年は前回の投稿で紹介したReading Groupがペースメーカーとして機能していたのだが、報告者不足により結局7月半ばで終了してしまった。非常にありがたい取り組みだっただけに残念だが、今年の開催状況を見るとこれを毎年の頼りにするのは難しそうである。代案としては、学生のうちはRA、プロになれば共著者との定期ミーティングを活用していくのが有力だろうか。

最後にこれは個人的な問題だが、運動不足によってストレスを溜めがちだった(⑥)というのも意外と重要かもしれない。運動は肉体的にリフレッシュできるという生理的効果に加え、「健康に良い事をしているぞ」と思う事で余計に気分がいいという心理的効果もあるので、ストレス発散法としてこれ以上のものは中々ないと思っている。とりわけ好きなスポーツを通じて運動する場合は義務感や辛さがないので、お得感しかない。自分にとっての運動はもっぱらサッカーだが、この夏は不運にもプレー中に胸骨やら膝靭帯やらを立て続けに負傷してしまい、運動できない期間が長くフラストレーションの溜まる夏だった。無理して怪我を再発してしまえばかえって復帰が遅れてしまうので今は大人しくしているしかないのだが、インドアの趣味で運動と同レベルのストレス発散が可能なものを未だに発見できていないので、夏のオリンピックが終わった今、世間より一足遅く運動の素晴らしさを実感しながら秋を迎えようとしている。